【ブログ部】中国のお年玉「圧歳銭」とは?師走に寄せて@長江春子
もうすぐお正月ですね。お正月と言えばお年玉。
お店では、白地にカラフルな模様が印刷されたお年玉用ポチ袋がたくさん売られるようになりました。見ていて楽しく、もらえば嬉しいですね。

しかし、ところ変われば事情が変わります。
お隣の中国では、白地の封筒でお年玉を渡すなんて縁起が悪いと思われかねません。
中国では必ずと言っていいほど、赤い封筒を使うのです。赤はめでたい色、元気な色、邪悪を追い払う色とされているからです。
お年玉に限らず、結婚祝い、出産祝い、誕生祝い、創業祝い、新築祝い、進学祝い、昇進祝い、金一封など、あらゆる祝い金を、赤い封筒に入れて渡すのです。
これを「紅包」(ホンバオ)と言います。昔は実際に赤い紙でお祝い金を包んでいたからそう名付けられたのでしょう。

(写真)上に書いてある「発財」(ファツアイ)とはお金持ちになること。つまり“あなたにたくさんのお金が入るように !”という縁起のいい言葉です。
お年玉にも使いますが、開店祝い、創業祝いにも使います。他にも「福」「禄」と印字される封筒もお年玉に使います。
誕生祝いの赤封筒には「寿」の字を選び、結婚祝いの赤封筒には「囍」の字を選ぶのが普通です。
お年玉は「圧歳銭」(ヤースイチェン)と言います。
一説よると「歳」は「祟」(たたり)と同音であり、「圧」は押さえるという意味なので、「圧歳銭」は「祟りを押さえ込み、子や孫の健やかな成長を願って贈るお金」となるわけですね。
一方、お正月に成人した子や孫から年老いた親や祖父母に孝行の印として「紅包」を贈られることもあります。

スマホと電子マネーが普及した今日、中国ではSNS上で「紅包」を贈り合うのが普通になってきました。自分にめでたいことや、うれしいことがあった時でも、その喜びを分かち合うために、友だちに電子「紅包」を贈ったりするようです。
ちなみに、我が家では日本の元旦と中国の春節(日本で言う旧正月)の両方を祝い、子どもたちには日本と中国の二つの文化を継承してもらう意味で、2回お年玉を渡しています。
中国の食品やグッズを扱っているお店なら、「紅包」専用の封筒が手に入るようになりました。皆さんも話のネタに使ってみてはいかがですか。
皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。
2022年末