【ブログ部:不便と便利を考える】アナログレコードの悲しい体験、なぜ若い人に人気なのか?@いとう啓子
更新日:3月10日
音楽を聴くまでの時間も楽しい
今、インターネットやスマホのおかげで、いつでもどこでも音楽を楽しめる。音楽好きにはありがたい時代だと思う。
だけど、アナログレコードで聴いた音楽の思い出は忘れられない。
50年以上前のことだけど。
(古くてすみません( ;∀;))
小学生のとき、最初に買ったLPレコード(大きいレコード、Long Playingの略)はカーペンターズの「スーパースター」だった。
お年玉をはたいて買ったから、うれしくて。しばらく、折り畳み式のジャケットを見たり、歌詞カードや解説を眺めたりしていた。
こんな時間も楽しかったなあ。
昔は、二つ折りとか、けっこう凝ったジャケットがあったよね。
(下写真は、ストーンズのアルバム「メインストリートのならず者」。さすがにカーペンターズのアルバムはどこかにいってしまった。)

そして、レコード盤をそっと取り出して、ターンテーブルにのせる。スイッチを入れて、回り始めたレコード盤の上に、針を優しくのせる。
すると、ミシミシという擦れるような微妙な雑音の後、曲のイントロが始まる。
音楽を聞くまでも、なんだかワクワクする時間だったなあ。
アナログレコードの苦い思い出
その後、中学生になってローリングストーンズのレコードを聴いていた時のこと。
A面最後の曲「悲しみのアンジー」を聞きたくて、何度も最後の曲の頭をめがけて、針を落としていた。
これがけっこう大変なんだ。
曲と曲の間の狭い隙間に、針を落とさなければならない。

あるとき、大雑把な私は失敗して針を落としてしまった。針はレコード盤の上ではねて、キズをつけてしまった。
よりによって、大好きな曲のところにキズがついてしまうとは。 (;O;)
以来、「悲しみのアンジー」は「プチップチッ」という雑音から始まるようになった。
今もこのアルバムを持っている。残念ながら聴くためのターンテーブルがないけど。
そのうちターンテーブルを買って、中学生のときにつけたキズの音と共に「悲しみのアンジー」を聴いてみたいと思う。
どんどん変わった音楽の楽しみ方
音楽の楽しみ方は、激変していった。
レコードをかけるステレオから、カセットテープのラジカセへ。
そして、ウォークマンが登場して、外出中でも音楽を聴けるようになり、
デジタルデータになってmp3プレーヤーから、スマホへ。
レコードからカセットテープ、CDへ。今では、曲をダウンロードしてスマホで聴いたり、
サブスクの配信サービスで、好きな曲をいつでも楽しめる。

家の中では、AI音声認識サービス、アレクサに「●●をかけて」というと、すぐに好きな曲をかけてくれる。
思えば、ずいぶん変わったよね。
でも、こんな時代なのに、アナログレコードが人気だそうだ。
しかも若い世代に流行っているという。
デジタルより音がいいとか、ジャケットが楽しいとか、いろいろ理由が挙げられているようだけど。なにが魅力なのか、若い人に質問してみたいです。
昔買ったアナログレコード、大好きな10枚くらいを、今も大事にとってある。
思い出がつまったレコードだから、どうしても捨てられないのだ。
長い間、回ることもなく置かれている。
押し入れの中で眠っているレコードたちを、そろそろ起こしてみようかな。
(写真下、保管しているレコードの一部)

元ロック姉ちゃんのいとう啓子