キックオフセミナー「インターネット市民塾 約20年間の市民講師400人のチャレンジ」レポート1インターネット市民塾ってなに?

更新日:2021年10月3日

5月30日、ICBCキックオフ・オンラインセミナー「インターネット市民塾 約20年間の市民講師400人のチャレンジ」を開催しました。

 NPO法人地域学習プラットフォーム研究会理事長で、総務省地域力創造アドバイザーの柵 富雄(さく とみお)さんに、富山から登壇していただきました。


 講演内容を数回に分けて、お伝えしていきます。


セミナーには全31人が集まった

第1回目インターネット市民塾ってなに?


社内ベンチャーで始める


 柵さんは、IT企業に勤めていた47歳のときに社内事業として、地域事業「インターネット市民塾」を思いついた。

 それは、インターネットを利用して、市民が講師になって学び合うしくみ。


 サラリーマンだった柵さんにとっては、大きなチャレンジだった。準備を進める中で、大学、行政、地域の人たちと対話を重ね、99年にインターネット市民塾をスタートさせた。


 活動を続けるうちに、柵さんは会社の仕事と地域事業の板挟みとなったそうだが、「地域の人たちが続けてくれと言ってくれて、続けることができました」と語っていた。



 その後、柵さんは定年退職した後、大学院に入学。心理学などを学び、学位を取得。

昨年、インターネット市民塾の経験やノウハウなどをまとめた書籍「生涯学習eプラットフォーム 私の出番づくり・持続可能な地域づくりの新しいかたち」を出版した。


書籍の詳細はこちらへ


市民塾の狙いとは


 インターネット市民塾の狙いについて、次の3つをあげた。


・幅広い世代が参加する場をつくる

・知識・経験を自発的に役立てるしくみをつくる

・お互いに貢献しあい実社会に役立てる文化を目指す


 とはいえ、インターネット活用といっても、当初はネットの常時接続もないような時代だった。


「ネット接続にお金がかかるために、表示したりメールを送ったあと、すぐに回線を切ったり、ケチなことをしていました」と当時を振り返っていた。


 そんな状況の中、インターネット市民塾は、市民が講師になって講座を開催していった。

 現在のようにオンライン講座ではなく、講師がテキスト、資料などをネット上に掲載。受講者がそれを見ながらメールで質問したり、掲示板を利用して意見交換した。


 また、実際に集まるスクーリングも行い、オンだけではなく、オフでも学びを深め合った。ネット上だけでなく、実際に会って学ぶ授業も行った。(下図を参照)



 市民塾をつくるとき、柵さんが大事にしたのは市民講師側だった。


「学ぶ人より、市民講師側に目を当てて考えました。中身、運用を設計することを手伝い、ひとりがひとりが主催者なんだよと、提案しました。それぞれの経験を持ち寄る場を作るということです」


インターネット市民塾の特徴


・パソコン1台でいつでも、どこでも開催

・経験、ノウハウを生かして自分で企画

・定員・期間、受講料は講師が決める

・自由な時間に自宅から講座を進行


 パソコン1台にインターネット接続があれば、講座開設ができる。

 “いつでも どこでも”という特徴が、多くの人を引き寄せていった。


 柵さんは、市民講師が講座を開催・進行できる支援機能を提供。そして、市民講師のデビューを応援する人的サポートを行っていった。


 次回は、どんな人が市民講師になり、どんな講座を開催したのか、お伝えしたいと思います。


(みらひらナビ編集長 いとう啓子)