【ブログ部】入院して分かったこと!お医者さんの一言は効く、たぶん薬より!@いとう啓子
困ったおばさんのこと
こんにちは。フリーランスの編集・ライター、アネスト出版代表、みらひらナビ編集長のいとう啓子です。
私にとって2022年の大きな出来事は、入院したことだった。
コロナ禍のおかげで外部と遮断され、患者と医療関係者だけの世界で過ごした日々だった。
私は4人部屋に入っていたので、他の患者さんとお医者さんとのやりとりもがいつも聞こえてきた。
ある初老のおばさんは、1日に何度も看護師さんを呼びつけるくせ者。声が大きくて、何を主張しているのか聞こえてきたが、体調を崩して精神的にも不安定な状態になっていた。
ある朝、血圧を測ると、おばさんは騒ぎ立てていた。
「170もあるなんて、薬を出してください。お願いします。お願いします」
「さっきお薬を飲んだから、もう少ししたら効いてきますよ」と看護師さんは優しく応えていたが、おばさんは納得しない様子。
そんなとき、担当医がやってきた。「●さん、どうですか?」
「血圧が170もあるんです、大丈夫なんでしょうか?先生」とおばさんは訴えた。
すると担当医は、すぐに返答した。
「そのくらい平気ですよ。●さん。気持ちで負けちゃだめですよ。気持ちをしっかりもって。今日は天気もいいし、元気出してください」
先生の声は力強く、説得力があった。
カーテンがあるから顔は見えないけど、おばさんは反論せずに、その後もしばらくだまっていた。
落ち着いたらしい。
お医者さんの一言が効いたのだ。
「気持ちで負けちゃだめですよ」の一言が、心身ともに弱っていた私にも力をくれたのだった。

やっぱり看護師さんは天使だった
昔から白衣の天使というけど、看護師さんたちは、本当に天使のようだった。
手術後、全身麻酔から目を覚ますと、頭はモウロウとしていた。患部は痛いし、点滴を受けながら安静にしていた。
つまり、起き上がって、ひとりでトイレに行けない状況だった。
夜中の2時、3時にもトイレに行きたくなるに違いない。そんな時間に、トイレのためにナースコースするのは気が引ける。
そう思ったので「ポータブルトイレを持って来てください」と看護師さんに頼んでみた。
すぐに看護師さんは笑顔で応えた。
「全然平気ですよ。そのためにいるんですから。どんどん呼んでくださいね」と。
その日の真夜中、私はナースコールして、トイレへ行くのにつきそってもらった。
彼女はトイレから戻るときも、私を支えてくれた。
その後も、さまざまな局面で看護師さんたちは、優しくお世話してくれた。若い看護師さんが多かったが、彼女たちは患者のどんなわがままにも、嫌な顔を見せずに対応していた。
彼女たちにとっては仕事で普通のことなのかもしれないが、
昼も夜も忙しい仕事なのに、優しさを持って働き続けている姿に心打たれた。

以前、入院したときも思ったけど、今も変わらず看護師さんは「天使」だった。
今、医療現場は大変な状況だ。看護師不足も問題になっている。
そんななか、誠意をもって看てくれた慈恵医大第三病院の看護師さんたちには、感謝の気持ちでいっぱいです。